2017年07月01日

高級クラブ─第6話─

高級クラブ─第6話─


皆さんおはようございます。
ミスどん底先生です(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)




それから私達家族の
海で食材を採る日々が始まりました。




家庭教師をして、高級クラブに勤め、ベンツに乗っている人間が『自給自足』をしているなどと誰がわかるでしょうか(^_^;)



周りからはすっかり『趣味』なのだと思われていました。



しかし、現実は恐ろしい程に必死で、海に入って虫取り網や父お手製の網で魚を捕まえたり、シャベルで砂利を掘って釣りの餌になるイソメと呼ばれる大きなミミズを抜き出したり、大きな岩を腰が痛くなるまでめくって( そもそも母親に尾てい骨折られてるからそんなことしちゃダメだったと思うんですが )食べられる貝が張り付いていないか探したりしていました。


必死で海に入っていますから、ガンガゼなどの危険生物の真っ黒い針が深く刺さって抜けないまま指がボコボコしているのを隠しながらお店に出勤したりしていました。


子どもには金魚や熱帯魚の代わりに、
家で飼えるように、スズメダイなどの綺麗な魚を一緒に採りました。


また、危険生物や危険な場所を父と一緒になって教え、泳ぎ方や海流に流された時の脱出方法なども教えていました。



生きるため。


生き延びるため。



子どもには私がいつ死んでも生きていけるようにしておかなくては………。


なんせ早朝から海に行き、
午後に帰って1〜2時間程眠って家庭教師に行き、
そのあと深夜まで高級クラブで勤務し、
そして帰宅して1〜2時間程寝て
また海に行って……というような生活です。


まだ二十代半ばとはいえ、かなり過酷な毎日でした。私は自分がいつ死んでもおかしくないと思っていました。





そんな日々をなんだかんだ頑張って10月上旬まで続け、海に入りましたが、なんせウェットスーツなんかありません。


水着で入っている間に体温が極端に下がり、唇が真紫に変色し、震えが止まらず、さすがにもう海での自給自足の生活は無理だと思いました。


その頃には、道端や家の廊下を歩いていたカニさえ(家が海に近かったため)食材にした程です。



もうお店に入って予定の1年が過ぎようとしているのに、こんなんじゃ車を売って会社を始めてもうまくいくわけがありません。


もう少し頑張って今の生活を続けよう。



しかし、母からの無心は更に酷くなりました。

私が渡すお金がなくても、
「なんとかしてよ……もう生きていけないよ……」などと泣いて頼んでくるようになりました。


ついに私は母や彼氏からの無心に渡すお金を作る為、カードキャッシングに手をつけるようになってしまいました。





続く。




高級クラブ─第6話─



写真は父と子どもと海での食材採集の時のもの。

(ワイシャツほどの薄さの上着をラッシュガード代わりに着用していた私。これも高校時代に買ったもの。海でこれを31歳の夏まで7年に渡って着用(笑))




それではまた(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)



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Posted by 家庭教師のリスタ「ミスどん底先生」 at 09:46│Comments(0)ミスどん底先生の過去
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