2017年08月13日
父の抵抗─後編─
皆さんこんにちは。ミスどん底先生です(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
父は私が幼い頃から旅行に連れて行ってくれました。
父は他の贅沢はせず、旅行といっても自然を旅するものがほとんどで、高級旅館や高級ホテルなどではありませんでしたが、私はそんな自然と触れ合う旅行は嫌いではありませんでした。
しかし、母はいつも文句を言っていましたし、借金が膨らみすぎた頃には、旅行に従業員さん達を連れて行くこともできなくなっているようでした。
父は『また旅行に行くために仕事頑張ってるんだよ。』と言っていましたが、実際は母が作った借金に追われているのでした。
しかし、父はいつも、『自然の中を旅するのって素晴らしいよね、ちーちゃん。』と口ぐせのように言っていました。
母に聞こえるように。
私から母へ伝わるように。
それが唯一の父の抵抗でした。
【 ギャンブルにお金を遣う事よりももっと素晴らしいことがある 】
それを一生懸命伝えようとしていました。
しかし、母にそれは届きませんでした。
経営するお店で稼いだお金は、素晴らしい自然と触れ合うために遣おうよ。
多忙極まるお店で働いてくれた従業員さんたちへの感謝の気持ちとして遣おうよ。
父はそういうことを母に教えたかったのでしょう。
父の口から直接聞いていたわけではありませんが、小さかった私にも、なんとなく伝わっていたのにも関わらず、
母の目には
自然のキラキラした輝きよりも、
パチンコ玉のギラギラした美しさだけが、
母の耳には
自然の川のせせらぎや
木立に当たる風の囁きよりも、
競馬場の喧騒や
パチンコ店内の鼓膜を刺激する轟きだけが、
ただただ刺激的なのでした。
母が店のお金を持ち出さないよう、
父が制止したりすれば、父は店の包丁を突きつけられて脅されました。
そんな母を警察につき出すわけでもなく、
病院に連れていくわけでもなく、
ひたすら母の『良心』に訴えかけようとした父。
しかし、父の抵抗は虚しく、破産。
夜逃げの直前に、私の念願だった親友を連れて最後の旅行に連れて行ってくれたことがありました。
今まで絶対ダメだったのに、なんで今回はいいんだろう?なんて少しだけ頭をよぎったものの、その時はそんなことよりも親友と一緒の旅行が楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。
私にとってそれが親友とのお別れになりました。
そしてそれ以降、家族旅行に行くことは永遠になくなってしまいました。
母がギャンブル依存症のせいで自殺してしまったことは、やはり、父が後になってよく言う『悔しい』という言葉に父自身の想いが大いに含まれていると思います。
ギャンブル依存症はどれだけ本人が意志を持っても、家族がなんとかしようとしても、どうにもならないことが多いそうです。
周りに迷惑をかけてしまう程の重度の依存症の場合には、専門家に相談するのが一番だと思います。
今年の3月には、政府がギャンブル依存症対策として、インターネット経由での馬券の購入制限や、パチンコの出玉規制の強化、パチンコ店への本人や家族の申告に基づく利用制限も検討していると発表がありました。
秋の臨時国会で法改正に取り組む方針ということなので、母のギャンブル依存症により、30年以上家族全員が苦しめられた私としては、是非この法案が成立して欲しいと思います。
特に下線部↑の部分はいいんじゃないですかね。
趣味の範囲で競馬やパチンコをやっている方もいるでしょうから、下線部のように、本人や家族がこれはマズイ!と思ったらブレーキがかけられるようになるのはいいですね。
パチンコ店での子どもが関わる事件や死亡事故も多いですからね。
趣味と依存症は違います。
自分や周りを苦しめる程になっているのなら、それは依存症だと思います。
どうかこれ以上、
苦しい想いをする人が増えませんように──。
それではまた(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
Posted by 家庭教師のリスタ「ミスどん底先生」 at 12:34│Comments(0)
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