家庭教師の会社を立ち上げる。─第2話─

皆さんこんにちは。ミスどん底先生です(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)




家庭教師を始めて１０年。

ついに【 密かな野望 】が【 現実 】になる時が来ました。





大学一年から始めた家庭教師のアルバイト。

高校時代には信頼していた家庭教師の先生に裏切られ自殺未遂をし、
それから高校の元担任を卒業後に呼び出してまで受験勉強を教えてもらって大学に入学し、
携帯屋さんとの二足の草鞋やら、
二度の離婚やら、
父との絶縁やら、
過酷な夜の仕事と家庭教師の二足の草鞋(一時は四足の草鞋)やら、
自給自足の為の食材採取やら、
母からの残酷なお金の取り立てに常に耐えながらも、本当に色々あったけど、
それだからこそ熱い想いを持ってずっと続けてきた家庭教師。




本当にここまでキツかった…………




でもやっとお金も貯まって、ようやく、ついに、いよいよ、悲願の家庭教師の会社を立ち上げられる……！！






２０１１年３月初旬。


大金をはたいた広告が配られ、今か今かと問い合わせの電話を心待ちにしている矢先でした。






皆さんの記憶にもまだ新しいと思います。




２０１１年３月１１日。
東日本大震災発生。



ここ静岡県では被害は少なかったものの、
どこのご家庭も、家庭教師を始めよう！なんて状況ではなくなったことは確かでした。



広告を悠長に眺めている時ではない。


我が社の広告は一瞬にして
意味の無いものとなりました。



本当に世間はそれどころではないのです。



こんな状況で新規の生徒さんを増やすことは不可能でした。



それどころか、
ここ静岡県東部地域も輪番停電の対象となりました。


今まで地道に少しずつ口コミで増えた生徒さん達の授業をやることすら不可能となったのです。




まさかの事態に正直参りました。




これからどうすればいいんだろう………




『ベンツ貯金』も多くを広告等の開業資金に使った為、このまま仕事が全く無ければ３､４ヶ月生活できるくらいしか残っていません。



既存の生徒さん達の授業に加えて、
少しずつでも地道に新規の生徒さんが増えてくれればと思っていましたが、
それどころか、これでは日本中が復興し、既存の生徒さん達の通常授業ができるまでにどれだけ時間がかかるのかさえわからない状況でした。







あぁ………

神様なんかいないんだ…………



やっぱり私は何やってもダメなんだ………

頑張っても意味なんかなかったんだ………





２９年間どん底だった私を
まだ『許さない』かのような運命を恨みました。







100％取り立てを止めないだろう母親と、
母子家庭で私１人で養わなきゃいけない子どももいるっていうのに、これからどうすればいいんだろう…………





参っている私をよそに、間もなく輪番停電も始まろうとしていました。






続く。




それではまた(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)